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講義名 生涯学習概論
(副題) 子ども学科/3年
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 小平

担当教員
氏名
◎ 中嶋 みさき

授業科目の位置づけ/目的 生涯学習を歴史的発展のもとで、また現在の具体的課題として検討するため、日本の現代社会において、生涯学習に携わる専門家として必要な基礎知識を理解し修得することができる。さらに、それをもとに政策に臨機応変に対応し実践きる力や生涯学習を構想できる力を身に付けることができる。
授業科目の到達目標 ①教育と学習の関係をとらえなおす
②生涯学習の歴史を理解する
③生涯学習とは何か理解する
④生涯学習の政策を理解する
⑤社会教育施設における実践方法を理解する
⑥生涯学習の具体例を知る
⑦課題にそくした学習を組織し、伝達する力をつける、
⑧同一の課題についてディスカッションする力をつける
授業の概要 現代では改めて「教育」と「学習」との関係が問われている。この講義では、生涯学習とは何か、という問題を、教育思想の歴史的展開をおいながら、生活スタイルの歴史的変化などとあわせて検討し、生涯学習に関する基本的考え方を学ぶ。
この授業の目的、テキストや参考文献、評価の仕方については、第1回の授業のときに概説する。第2回~7回までは、主として生涯学習の考え方について理解を深める。第8回~12回までは現在の生涯学習政策についてとりあげ、法制度の変化を中心に政策の意図を把握できるようにする。13・14回は現在の生涯学習政策の具体的なあらわれとその問題点を理解する。最後の時間に小レポートをまとめ、新聞レポートの発表をおこなう。
授業計画と授業内容
内容
第1回ガイダンス 教育と学習 言葉を手がかりに生涯学習のイメージをつかむ。グループワークをおこなう。
第2回生涯学習概念成立の背景 複線型教育制度と成人教育との関連性を理解する。
  
第3回生涯学習の教育機会 子ども観の変化と子どもの権利論の発展について学ぶ。中等教育の開放と生涯学習論の展開について理解する。
第4回生涯学習の理念 ユネスコ・学習権宣言の内容を考察し、理解する  小レポート
第5回生涯学習社会とその実像 絵本やビデオを通して生涯学習の具体的イメージをつくる 
第6回生涯学習社会とジェンダー
ジェンダー概念を正しく理解し、ジェンダーと生涯学習とのかかわりを理解することで、階層的差異と生涯学習との関係を理解する  
第7回生涯学習と性    グローバルな視点における性と生涯学習に関する課題(性的マイノリティ エイズ問題など)をとりあげ解説する。
第8回生涯学習と家庭教育 少子化問題と生涯学習とのかかわりを考える
第9回生涯学習と社会教育 理念としての生涯学習論と実際の教育政策との関係を知る
第10回生涯学習政策の展開1 臨時教育審議会と生涯学習論~生涯学習政策の背景
第11回生涯学習政策の展開2 社会教育法の改正と生涯学習振興法
第12回生涯学習政策の展開3 06年教育基本法と生涯学習
第13回生涯学習政策の展開4 グローバル時代の生涯学習 ハンブルク宣言とその背景を理解
第14回社会教育施設の変化・発展  博物館・図書館・公民館を中心に新しい運営形態を紹介する
第15回生涯学習と平等   今後の課題として小レポートを作成する 後半は、新聞レポートの発表と簡単なディスカッションをおこなう
授業外における学習について 事前学習 参考文献を読んだり、資格に関連した他の科目の授業内容をよく復習する。とりわけ教育の歴史に関する内容を復習するとよい。また新聞や雑誌の教育関連の記事を読み、視野を拡げることを勧める。

事後学習 プリント等授業中に配布した資料を読みながら授業内容をまとめなおすとよい。まとめ方は高校までの学習経験をいかして、各自自分にあった方法を工夫するとよい。
成績評価方法と評価基準 評価:レポートを基本(80%)に、必要に応じて平常授業の内容(資料に対する考察、ディスカッションやグループワーク)(20%)を参照する。
レポートの評価基準:テーマの理解、論旨の明解さ、学習の内容や過程の反映、独自の努力や工夫等を評価する。【フィードバックの方法】
テキスト ジェンダーに関する部分について橋本 紀子他編著『ハタチまでに知っておきたい性のこと 』大月書店を使用する。その他の参考文献は以下になる。授業でははプリントを作成し補足する。
参考書・参考資料 E.ジェルピ、海老原治善編『生涯教育のアイデンティティ』エイデル研究所
藤田秀夫編著『ユネスコ学習権宣言と基本的人権』教育史料研究会
教育科学研究会・社会教育推進全国協議会編『教育、地方分権でどうなる』国土社
中藤洋子『女性問題と社会教育』ドメス出版
堀尾輝久『日本の教育』東京大学出版会