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講義名 歴史学【学部】
(副題) 教養教育課程/1年
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 小平

担当教員
氏名
◎ 酒井 晃

授業科目の位置づけ/目的  この授業では、歴史学とりわけ20世紀の日本を対象に、女性史・ジェンダー史の観点から「歴史とは何か」を学びます。一般的に歴史を学ぶことは「事実」を確定する作業と思われるかもしれません。この授業では、高校時代までの暗記的な歴史学習を発展させ、解釈する歴史学を提示します。史料・資料の読解を通じて、「誰にとって」、どのような解釈が歴史として成り立ちうるのかを一緒に考えましょう。
授業科目の到達目標  歴史の多様性と面白さを紹介しますが、しかし「何でもあり」な解釈は成り立ちません。歴史解釈の論理的妥当性(根拠)を学ぶとともに、歴史的な想像力(「他者」への理解)を養うことを最終的な到達目標にします。この授業では、こうした歴史学の方法や解釈を身に付けることで、現代社会がどのように成り立っているのか、<いま>の社会が「当たり前」ではないことを知ることが出来ます。加えて、これから社会に出る皆さんが、よりよく生きるための知の獲得を目指します。
授業の概要  第1回はガイダンスと近代日本のジェンダー構造を概略します。第2回目以降は時代順に日本現代史を講義します。対象時期はおおむね第2回~第3回が戦前(日露戦争以後~昭和初期)/第4回~第6回が戦時期/第9回~第13回が戦後以降となります。なお、第8回、第13回、第14回は「特論」として、歴史教科書ではなかなか触れられないテーマを掘り下げるなど、ほかの回とは異なる視角・対象となります。また、何回かグループワーク等や映像資料を用いる場合があります。
授業計画と授業内容
内容
第1回1.ガイダンス/帝国国民とジェンダー
第2回2.デモクラシーと「新しい女」
第3回3.近代家族の形成
第4回4.戦争① 「男らしさ」のつくられ方
第5回5.戦争② 「女らしさ」のつくられ方
第6回6.敗戦とジェンダー
第7回7.レポート課題提示と諸注意
第8回8.特論① 植民地とジェンダー
第9回9.戦後の「いのち」をめぐる運動
第10回10.高度成長と性別役割分業
第11回11.ウーマンリヴの胎動
第12回12.少子化言説と男女共同参画社会
第13回13.特論② L/G/B/Tをめぐる歴史
第14回14.特論③ 記憶をめぐる抗争――日本軍「慰安婦」とは何か
第15回15.本講義のまとめ
授業外における学習について  わからないこと、疑問に思ったことは積極的に質問して下さい。授業プリントで提示した参考文献や史料に興味を持ったら、手に取ってみましょう。また、女性史・ジェンダー史は現在の「社会問題」とも密接に結びついています。新聞記事など時事的な事柄についても、意識的にチェックするよう心掛けて下さい。そのほか、関連する美術館・博物館情報も授業中に触れることもありますので、機会がありましたら見学に行ってください。
成績評価方法と評価基準  授業態度・貢献度+毎回のリアクションペーパー(30点)、学期末のレポート(70点)で評価します。レポートは課題図書から1冊選び、そのほか参考資料を用いて、2400字以上の字数で作成してもらいます。詳細は第7回授業時に提示します。なお、授業人数にもよりますが、すべてのレポートを返却し、ご自身のレポートの何が良かったどうかを確認してもらいます。
テキスト  特に指定しません。毎回の授業で資料プリントを配布します。
参考書・参考資料  授業でその都度触れます。
連絡先(メールアドレス)  授業時に配布する資料プリントに記載されたメールアドレスに連絡してください。